流行りのフロントデッキパットを検証。そのメリットとデメリット

サーフギア
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少し前から、若い世代のサーファーを中心にまた注目を集めている「フロントデッキ」。

今から30年ほど前、ほとんどのサーファーがこのフロントデッキパットを愛用していたかと思いますので、40代以上の(歴30年近い)サーファーから見ると、懐かしさと共に“今さら感”が出てしまい、やや抵抗があるのが正直なところ、ではないでしょうか。

ですが、そんな時代を知らない世代にはむしろ新鮮に見えるようで、10代〜20代のサーファーからは結構注目さているように思えています。

実際のところ、30年も経てば製品も進化しているだろうし、個人的にも気になっていたので、自分も試してみることにしました。
そこで感じたメリットとデメリットをシェアしたいと思います。

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フロントデッキの感想、気になるグリップ力は?

フロントデッキの見た目については、当然好みにもよりけりですが、最も気になるところは、そのグリップ力でしょう。
ワックスと比べてどうなのか、滑るのか、滑らないのか。
特に「一度貼ってしまうと後戻りできない感(実際には剥がせますが超無駄になる)」があるので、気になっているけどなかなか踏み出せない方も多いのではないでしょうか。

ですが結論からいえば、グリップ力は「全く問題なし」という感想です。

ここからは参考までの主観情報ですが、筆者はこれまでスティッキーバンプス、SEXWAXなどを使い続け、数年前からはFU WAXを大変気に入って愛用してきました。

個人的にサーフワックスは、入念に塗る&定期的にきちんと塗り替えるタイプですが、とくにFuWAXには、これまでの製品以上のグリップ力を感じており、かつ「ウエットが汚れにくい」、「重ね塗り分は意外と少量で良いのであまり減らない」などメリットも多く十分満足していた派です。

ですが、フロントデッキには従来のサーフワックスと比較してもグリップ力はなんら遜色なし、総合的にはお気に入りのFUWAXよりも良い点が多く、今回をきっかけに完全に切り替えてしまったという状況です。

フロントデッキパットのメリット

今回私は、「CREATURES(クリエイチャー)」と「OCTOPUS(オクトパス・イズ・リール)」、2つのメーカーの製品を試してみました。
この2つを選んだ理由は、見た目の好みなどもありますが、異なる商品を使うことでメーカーによる違いなども知ることができるかな、と考えたらから。

デッキパット販売では世界的に有名なクリエイチャーと、比較的に新しいブランドながら、エアリアルなどで有名なライダーを多数かかえており、いかにもフロントデッキに拘りがありそうなオクトパス。
私個人の感想として、クリエイチャーの方がデッキパット本体の凹凸間がありクッション性が高め、オクトパスは材質が薄めで軽量、かつ(自分が選んだモデルは)面積が大きいという特徴は感じたものの、前途の通り肝心のグリップ力においては、どちらもサーフワックスと比べて全く問題なし、むしろしっかりと乗れていれば、ワックスよりも強いグリップ力を感じています。

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また、グリップ力には問題がない(サーフワックスには劣らない)ことを前提として、私が感じている主なメリットは以下などです。

メリット1:なんといってもワックス不要は楽ちん過ぎる

最大のメリットはここ、海に入るたびに塗る、古くなったら剥がす、といった一連の作業からほぼ解放されることです。
海に入る=ワックスを塗るという動作はいつものことなので、これ自体が大きなストレスとは言いませんが、急いでいるときなどちょっと面倒に感じることは多々あります。

「早く海に入りたいときに、そのまますぐに入れる」と言ってしまうと、それくらい我慢しろと思われるかもしれませんが、例えば、前のワックスが結構古くなっていて全体的に塗り直す必要がある場合や、そもそも昨晩に全部剥がしてしまっていてまた全体に塗らなければならない場合など、意外と面倒に感じることは多いものです。

また当然ながら、古くなっていて滑るから、季節が変わったから、見た目が汚いから、などで「剥がす」という手間が不要になるのも楽ちん度アップのポイント。
例えば真夏の炎天下では、ワックスが溶けて上手く塗れない場合もありますが、塗らないわけにもいかず板やワックスを冷やしたり・・なんてストレスからも解放されます。

厳密にいうと、私はデッキパット以外の場所(前後パットの中間など)にもワックスを塗っているので、100%不要になるわけではないのですが、この程度ならさっとひと塗りか、波によっては前回ワックスのままでも十分なケースがほとんど。
ワックスを塗る&剥がす行為は、海に入る回数が多い人ほど多く発生するわけで、この毎回の作業がなくなることは大きなメリットといえます。
(逆にあまり海に入らない人にはメリットが小さいかもしれません)

メリット2:塗りが足りずに滑る、という心配がない

こちらは上記に含まれる部分でもありますが、塗り直しが不要というばかりか「塗り方がイマイチで調子が悪い」ということもなくなります。

私自身、ワックスが足りずに滑るという行為は絶対に避けたいので、例えば波が大きい日、波が良い日、試合前などは、念には念をでどうしても厚塗りになります。
ですがデッキパッドの場合は、当然ながら一定のグリップ力は確保されていますので、そのような心配はありません。
(デッキの上からワックスアップして、さらにグリップ力を高めることはできます)

また、トリップ先でワックス忘れに気付いて慌てる心配もなく、とても安心感があります。

メリット3:ウェットやケースが汚れない

日々ワックスアップした板でサーフィンをしていると、当然ながらウェットスーツが汚れます。パドル時の胸〜腹あたり、波待ち時のお尻、ボードを持ち歩く際の脇〜腕、etc…

また、ウェットスーツばかりでなく、ニットケースの内側や、板を裸で車内に入れた場合などもしかり。夏場にドロドロに溶けたワックスや、 冬用の柔らかいワックスまで、サーフィン中はもちろん板の持ち運びや収納によりつきまとう「ワックス汚れ」から解放されます。

メリット4:クッション性〜板の保護に多少なりとも貢献

これは何か具体的に証明できるものではありませんが、当然ながらむき出しの状態よりは、デッキパットがボード保護の役割を果たしてくれるという部分。

持ち運び時の接触などももちろんそうですが、サーフィン中でも思いがけず肘や膝が板に当たってしまうこともあります。
また、私は使用中ボードのフットマークが多めについてしまうタイプなので、多少なりともデッキパッドのクッション性が、板の凹み防止も担ってくれそうな部分が、個人的には大変嬉しいです。

エアーを練習したい!という方にもおすすめ。

メリット5:デザイン性

当然ながら、これは主観や好みの部分。ですが、フロントデッキの使用を考えている人は、少なからず見た目も気に入っている人が多いのではと思います(そもそも嫌なら使わないと思いますし)。

そういう意味では、フロントデッキ自体がボードのデザインのようになりますし、そもそも最近はシンプルなデザインの板が増えているので、自分で余計な装飾をせずとも少しデザインを変えたいと思うひとにはうってつけ。

エアブラシなどはあまり入れない、そもそもクリアのボードが好き、ライダーでもないのにステッカーをべたべた貼るのはちょっと・・・
そんな人は、まだ少数派のフロントデッキを使用することで、実用的かつ周りの人とは異なるデザインになる場合も!?

フロントデッキパットのデメリット

個人的にもお気に入りのフロントデッキパットですが、もちろんデメリットもあります。
筆者自身の使用歴がまだ半年程度のため、一部予想的なものも含めますが、思いつくものをご紹介します。

デメリット1:裸でサーフィンできない

個人的には、これが最大のデメリット笑。
やはり夏場はボードショーツ一枚でサーフィンをしたい派ですが、板にフロントデッキパットを貼ってしまうと、これが厳しくなります。
なぜなら、直接的なグリップ力はワックスよりも強いため「裸でパドルすると胸が擦れて痛いから」です。

ワックスでのサーフィンでも、特に真夏用ワックスは固めなので、裸で長時間サーフィンをすると胸が擦れて痛いですよね。これの強いバージョンだと思ってください。
もちろん、2〜3回テイクオフするだけなら問題ありませんが、数時間のサーフィンともなると、パドル時の擦れも含めてとても痛いです。
個人差あると思いますが、よほど強靭な皮膚でない限り、真夏の裸サーフィンは諦めることになります・・。
(Tシャツなど着ていれば大丈夫。そして商品の材質によっての違いもありそうですが、一般論としてご参考ください)

※追記:2021年7月11日
こちらの「裸でサーフィンできない」の件は、どちらかというとプロサーファー含む周辺のサーファー仲間達の感想を主に記載していました。
今回、筆者自身も改めて裸サーフィンにチャレンジしてみましたが、個人的には「全くできないわけではない」という印象。ですが、それでもしばらくサーフィンを続けていると、胸からお腹あたりが擦れて真っ赤に。もちろん、これらの感覚は、波に乗る頻度や乗り方、肌の強さなど人それぞれと思いますが、そこそこ波に乗るサーファーであれば、さすがに1時間ほどのサーフィンが限界ではないか、そんな感想でした。
(もちろん、使用するメーカーなどでも異なると思いますので、あくまでご参考までに)

※さらに追記2023年1月
人によっては裸のサーフィンが厳しくなるほどのグリップ力ですが、パドル時に胸が擦れる癖がある方はさらに要注意!春先や秋口のジャーフルなど、ジャージ素材のウェットスーツ着用時期はあまり気になりませんが、冬用セミドライなど“ラバー素材”のウェットスーツを着るシーズンは要注意!
普段からパドル時に胸のあたりを擦ってしまう傾向にある方、ラバー素材は、ジャージ素材よりも“擦れ”に弱いので、酷い場合は修理が必要なほどダメージになる場合があります。ラバー素材はある意味、肌よりもデリケートなので、様子を見つつご注意ください。

デメリット2:将来的な耐久性がやや心配

しっかりとしたグリップ力があるフロントデッキですが、この効果はいつまで続くのか、という心配点はあります。
まだ新品のうちは良いですが、1年、2年と使っていくうちに多少の劣化はあるでしょうし、このグリップ力をいつまで保ってくれるのか、、、

とはいえ前途の通り、もしグリップ力が低下したら「上から少しワックスを塗る」ということもできますし、よほどの状態ならまた貼り替えれば解決できるもの。
また、このサーフボードを何年使うのか、なども踏まえると、そこまで大きなデメリットではありませんが、貼り替えるにも費用がかかるのでデメリットに加えます。

デメリット3:ボードの日焼けによる影響

私自身が実感したわけではありませんが、サーフボードは必ず日焼けするので、仮に後から剝がすことになったら、その日焼け跡はついてしまうでしょう。
「試しに貼って、嫌なら剝がす」程度なら問題はなさそうなものの、「1年使ってみたけど、やっぱり剝がす」となったら、くっきり跡が予想されますし、貼り替えでないとちょっと恥ずかしい可能性あります笑

デメリット4:値段が高い

これはシンプルに、フロントデッキパットのお値段が若干高めという部分。

マイナーブランドや無名に近い二流メーカー商品は別として、主なメジャーブランド商品の相場は4000円〜6000円前後、中にはそれ以上のものもありますので、感覚的には決してお安い部類ではないかと思います。
ワックス1個で250円くらい(?)ですから、何年分でしょうか。。。

ですが、ちょっと拘りのFUWAXで5〜6個分と考えれば、明らかに割高というわけではありません。
とにかく1円でも安くあげたい!という方には不向きですが、上記に挙げた多数のメリットを考えれば決して高い買い物ではない、というのが筆者の個人的な意見です。

まとめ、フロントデッキパットはお薦めか

上記に思いつくメリットとデメリットを挙げてみましたが、とくに「メリット」の部分は筆者自身の使用経験から実感しているもの。
対するデメリットのリスクを差し引いても、得られるメリットの方が大きいので、個人的にはかなりオススメと言えます。

やはり最終的には “好み” の世界でもありますが、もし「興味はあるけど、イマイチ踏み込めない」という方がいましたら、本記事の内容もひとつの判断材料としてぜひご参考いただければと思います。

他にも、様々なギア類の紹介もしていますので、ぜひご覧になってみてください。
「自分は絶対ワックス派」という方は、以下アイテムのレビュー記事もぜひどうぞ!

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